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境町で働く・起業するガイド|S-start upのチャレンジキッチン・求人の探し方・地方就職学生支援金を地元ライターが紹介

カウンターのある小さな飲食店の店内イメージ画像(境町の実景ではありません)

こんにちは、境町在住ライターのみなみです。境町に住んでいると、たまに聞かれることがあります。「境町って、仕事どうしてるの?」と。

たしかに境町には鉄道の駅がなく、大きなオフィス街もありません。でも、暮らしてみて感じるのは、「働き方の選択肢は、思っていたより用意されている」ということです。町なかには旧法務局の建物をリノベーションした創業支援センター「S-start up」があって、飲食店を始めたい人が低コストで厨房を借りられる仕組みがあります。子育て支援センターの一角では、ハローワークの出張相談が毎月開かれています。東京の大学を出て茨城県内に就職し、境町に移り住んだ人向けの支援金もあります。

この記事では、境町で「働く」「起業する」ときに使える町の仕組みと窓口を、境町公式ホームページ・広報さかい・境町商工会公式サイトの記載にもとづいて確認日つきで整理します。個人の感想と、公式で確認した事実は分けて書きます。

確認日:2026年8月3日(金額・条件・営業情報はすべて各公式サイトおよび町の公式資料の記載にもとづきます。制度は年度で変わることがあるため、申請前に必ず担当課へご確認ください)

この記事でわかること
  • 境町創業支援センター「S-start up」でできること(チャレンジキッチン/シェアオフィス)
  • 飲食店を始めたい人が使える「保健所営業許可取得済みの厨房」という仕組み
  • 境町公式サイトが案内している求人情報の探し方7つ
  • 子育て中の方向け「ママ・パパ就職相談」(毎月第3火曜・無料)
  • 東京圏の大学を出て境町に移住した方向けの「地方就職学生支援金」の要件と金額
  • 境町商工会の経営相談・創業塾・会費のめやす
日本の小さな町の商店街のイメージ画像(境町の実景ではありません)
Photo by Clay Banks on Unsplash(イメージ画像)
目次

まず結論:境町の「働く」支援は、大きく3つに分かれます

調べてみると、境町の働く・起業まわりの仕組みは、次の3つに整理できました。

種類 主な内容 おもな窓口
起業・創業を始める 境町創業支援センター「S-start up」のチャレンジキッチン・シェアオフィス/商工会の経営・金融・税務相談 境町役場、境町商工会
仕事を探す ハローワーク・県の就職支援サイト・町内事業者の採用サイトなど/子育て中の方向けの出張相談 ハローワーク古河、境町公式サイトの案内ページ
移住して働く 地方就職学生支援金(交通費・移転費の一部を交付) 境町役場 地方創生課

個人的に「これは境町らしいな」と思ったのが、いちばん上のチャレンジキッチンです。空き施設をそのまま眠らせるのではなく、これから店をやりたい人に貸す場所に変える、という発想。以下、順番に見ていきます。

境町創業支援センター「S-start up」|旧法務局が、挑戦の場になりました

コーヒーマシンの置かれた小さなカフェのカウンターのイメージ画像(境町の実景ではありません)
Photo by Roman Denisenko on Unsplash(イメージ画像)

境町創業支援センター「S-start up」は、遊休施設となっていた旧境法務局の庁舎を、国の地方創生拠点整備交付金を活用してリノベーションした複合施設です。所在地は境町152番地3。町の中心市街地にほど近い場所にあります。(出典:境町役場プレスリリース/広報さかい)

施設の構成は、チャレンジキッチン2店舗+シェアオフィス2部屋。カフェやレストランなどを始めてみたい方が、厨房などの設備が整ったデザイナーズキッチンを、一定期間ローコストで利用できる、という仕組みです。

私が「うまいな」と思ったポイント

広報さかい2019年12月号によると、この施設のキッチンは保健所営業許可を取得済みとされています。飲食店を自分でゼロから開こうとすると、物件探し・内装・厨房設備・許可申請と、開店前にお金と時間がかなりかかります。そこがすでに整った状態で借りられるなら、「最小の初期投資で、まず店をやってみる」ことができる。ここ、ほんとに良いと思うんです。

建物についても、広報さかいには「築30年以上の建物を改修するため、あえて古いところも残し、天井を抜いてコンクリートの梁をわざと見せるなど、個性的で創造性のあるデザイン」と書かれていました。駐車スペースと、車いすでも利用できるバリアフリー空間も整備されたとされています。

施設の基本情報(公式資料の記載)

施設名 境町創業支援センター「S-start up」
所在地 茨城県猿島郡境町152番地3
構成 チャレンジキッチン2店舗、シェアオフィス2部屋
成り立ち 旧境法務局庁舎を国の地方創生拠点整備交付金を活用してリノベーション
チャレンジキッチン使用料 月額15,000円〜(広報さかい2019年12月号の事業者募集記事の記載)
問い合わせ(同記事時点) 境町役場 企画経営課 電話0280-81-1309

ここは注意してください。「月額15,000円〜」と担当課名は、2019年12月号の広報さかいに掲載された当時の事業者募集の記載です。開設から数年が経っており、現在の募集状況・使用料・担当課が同じとは限りません。実際、公式サイトの移住・定住関連ページでは同じ電話番号(0280-81-1309)が現在「地方創生課」として案内されています。利用を検討する場合は、必ず役場に電話で最新の条件を確認してください。

これまでに出店したお店

境町役場が2025年12月17日に公開したプレスリリースによると、S-start upは開設以来、これまでに6店舗が出店しているとされています。同リリース時点で出店中として紹介されていたのは、次の2社です。

  • ウチウミワークス第2スタジオ(アトリエ)
  • 境逸品 鶏そば 山田屋(ラーメン店)

また同リリースでは、2025年12月20日(土)午前11時に、健康をテーマにしたコンセプトカフェ「ダヴェーナ」がオープンする旨が発表されていました(営業時間11:00〜21:00/定休日 火曜・水曜、いずれも発表時点の予定)。発表から時間が経っているため、現在の営業状況・営業時間は各店舗の公式SNS等でご確認ください。

ちなみに広報さかい2020年7-8月号によると、開設当初は4事業者が入居し、各事業者が施設の維持管理を行う方式が採られ、町には年間720,000円の賃料収入が入る設計になっている、と説明されていました。総工費は約5,000万円、うち国の補助金が約2,500万円、交付税措置が約675万円で、町負担分は1,825万円と記載されています。空き施設を「維持費のかかる負債」ではなく「賃料が入る資産」に変える、という考え方が正面から書かれていて、読んでいて面白い資料でした。

飲食で独立したい人が、境町で相談できる先

厨房で調理する人のイメージ画像(境町の実景ではありません)
Photo by Rama Krushna Behera on Unsplash(イメージ画像)

境町商工会

創業や経営の相談先として、町内には境町商工会があります。公式サイトの事業案内によると、扱っているのは経営指導、金融指導(国・県・町の融資制度の相談や斡旋)、税務・経理指導(帳簿の付け方から決算・申告まで/記帳代行も対応)、共済・保険制度、労務指導などです。商工会内には労働保険の手続きを事業主に代わって行う「労働保険事務組合」も置かれています。

所在地 〒306-0433 茨城県猿島郡境町965-29
電話 0280-87-0380
メール infosakai@sakaishoko.or.jp

加入金・会費も公式サイトに公開されています(2026年8月3日確認)。

区分 金額
加入金(新規加入時) 一律10,000円
個人会費 月額1,000円
法人会費(小規模事業者) 月額1,500円
法人会費(中小企業者) 月額2,000円
法人会費(町内の大企業) 月額3,000円
法人会費(町内の金融機関) 月額5,000円
法人会費(その他の大型店舗・金融機関) 月額10,000円

商工会は業種を問わず加入でき、物販・工業・建設・飲食のほか、物流、農産物生産、医療機関、寺院、保育・幼稚園、介護施設なども加入可能と案内されています。

創業塾

商工会は、創業・起業を考えている方を対象とした「創業塾」の開催を告知しています。公開されている案内では、全6回で「創業の基礎知識I〜III」「業務効率の向上と人材の定着とは」「顧客から選ばれる企業となるために、何を発信するべきか」「創業に絶対必要な会計の基礎知識」という構成でした。

ただし、私が確認できた開催告知は2022年10月付のものです。毎年同じ内容で開かれるとは限らないので、参加を考えている方は商工会へ直接お問い合わせください。

町の窓口(事業者向け)

境町公式サイトの「商工」ページ(2024年2月21日更新)では、事業者向けとしてセーフティネット保証(4号・5号)の認定申請や、生産性向上特別措置法に基づく先端設備導入計画の案内が掲載されています。担当は商工政策課です。融資や税制に関わる内容なので、要件は必ず公式ページと担当課で確認してください。

境町で仕事を探すときの入口7つ

ふたりで向かい合って相談している様子のイメージ画像(境町の実景ではありません)
Photo by Amy Hirschi on Unsplash(イメージ画像)

境町公式ホームページの移住・定住促進サイト内「働く」ページ(2024年4月1日更新)では、求人情報の入口として次の7つが案内されています。町が独自に求人サイトを運営しているわけではなく、国・県・町内事業者の窓口をまとめて紹介する形です。

入口 どんな人に
公共職業安定所(ハローワーク) まず全体を見たい方
株式会社さかいまちづくり公社の採用サイト 町内の施設で働きたい方
いばらき就職チャレンジナビ 県内企業を広く探したい方
いばらき就職支援センター(ジョブカフェいばらき) 相談しながら進めたい方
いばらき保育人材バンクポータルサイト 保育の仕事を探す方
いばらき建設業 就職応援サイト 建設業で働きたい方
境町シルバー人材センター 高齢者の就業を希望する方

同ページには「その他、民間企業が運営している求人検索サイトにも多数掲載がございます」との記載もあります。

ちなみに、さかいまちづくり公社の採用サイトを見てみると、2026年7月には道の駅さかい敷地内(境町1341-1)でのキッチンカー調理・販売スタッフ、2026年4月には道の駅さかい内の飲食店での調理補助・ホールスタッフの募集が掲載されていました。掲載中の求人は入れ替わるので、最新は採用サイトでご確認ください。道の駅さかいがどんな場所かは道の駅さかい完全ガイドでも紹介しています。

ママ・パパ就職相談|子連れで行ける、無料の個別相談

コワーキングスペースで作業する人たちのイメージ画像(境町の実景ではありません)
Photo by Nik on Unsplash(イメージ画像)

個人的に、いちばん「知られていないのがもったいない」と思っているのがこれです。ハローワーク古河のマザーズコーナーによる出張相談が、境町の子育て支援センター「S-WORK+KIDS」で毎月開かれています。

日時 毎月第3火曜日 午前10時〜正午(40分程度の個別面談)
場所 さかい子育て支援センター(S-WORK+KIDS)1階コワーキングスペース/境町38番地1
内容 求人情報の提供、面接準備対策、職業訓練やセミナーの案内など
費用 無料
対象 子育て中の方
受付 ハローワーク古河へ直接電話(0280-32-0461)。当日も予約がない時間は相談可能とされています

(出典:境町公式ホームページ「ママ・パパ就職相談」2025年3月29日更新/2026年8月3日確認。ハローワーク古河の開庁時間は8時30分〜17時15分、土・日・祝日・年末年始を除く)

会場のS-WORK+KIDSは、遊具スペースの隣にコワーキングスペースがある施設です。子どもを遊ばせながら相談に行けるというのは、小さい子がいる時期にはかなり大きいと思います。施設そのものの使い方は境町の子連れコワーキング施設「S-WORK+KIDS」ガイドにまとめました。

なお、境町公式サイトの「働く」ページでは、S-WORK+KIDSのコワーキングスペース(事前申請制・有料)、個室型ワークスペース、キッチン付きワークスペースが「働くパパママを応援する」設備として紹介されています。子どもの利用年齢は小学2年生までとされています(電話0280-81-1222)。

地方就職学生支援金|東京圏の大学を出て、境町に移住して働く方へ

引っ越しの荷物を運ぶ人たちのイメージ画像(境町の実景ではありません)
Photo by Apartment Life on Unsplash(イメージ画像)

境町には、東京圏の大学・大学院を卒業した方で、茨城県内の企業に就職し境町に移住した方を対象に、就職活動の交通費と引っ越しの移転費の一部を交付する「地方就職学生支援金」があります(境町公式ホームページ、2026年5月25日更新/2026年8月3日確認)。

支援金の額

交通費 就職活動に要した往復交通費の2分の1の額(上限4,260円)
移転費 移住に要した引越し業者等の費用(上限66,000円)

※内定先企業から交通費・移転費の支給があった場合は、その額を除いて計算されます。

対象になる方(要件1〜7をすべて満たす方)

  • 要件1:東京圏の大学・大学院に4年以上在学し、卒業した方(短大は対象外。対象校は町公式サイトのPDF一覧で確認)
  • 要件2:卒業年度において、東京圏内に継続して在住していた方
  • 要件3:卒業後、勤務地が茨城県内にある企業・官公庁に就職し、境町へ移住した方(Uターンも対象。週20時間以上の無期雇用契約に基づく就業が必須。3親等以内の親族が代表等を務める会社は対象外。国の機関は対象外で、茨城県職員は交通費のみ申請可)
  • 要件4:卒業後1年以内、かつ就業開始後1年以内である方
  • 要件5:申請日から1年以上継続して境町に居住する意志のある方
  • 要件6:暴力団等の反社会的勢力でない方
  • 要件7:日本人の方、または指定の在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、特別永住者)をもつ外国人の方

「東京圏」とは東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県のうち、公式サイトが定める条件不利地域を除く地域を指します。東京都の檜原村・奥多摩町・島しょ部、埼玉県の秩父市・飯能市・本庄市ほか、千葉県の館山市・旭市ほか、神奈川県の山北町・真鶴町・清川村などが対象外地域として挙げられています。詳細は必ず公式ページの一覧をご確認ください。

申請の期限と方法

申請できる期間 卒業後1年以内 かつ 就業開始後1年以内(境町に転入後から申請可能)
令和8年度の申請期限 令和9年2月12日(金)まで
提出先 境町役場 地方創生課(役場3階)/窓口または郵送
窓口受付時間 午前8時30分〜正午、午後1時〜午後5時15分(平日のみ/土日祝・年末年始を除く)
回数 申請は1人1回まで。申請金額が予算に達し次第、受付終了

必要書類は、交付申請書、就業証明書、卒業(修了)証明書、雇用契約書または採用の募集要項の写し、住民票の除票、写真付き身分証明書の写し。交通費・移転費それぞれで領収書の写しが必要です。領収書が提出できないものは対象に含められないと明記されているので、就職活動と引っ越しの領収書は捨てずに取っておくのが大事です。

また、就業開始日から1年以内に要件を満たす就業先を辞めた場合や、転入日から1年以内に町外へ転出した場合は、受け取った支援金を返還する必要があるとされています(企業の倒産、災害、病気等のやむを得ない事情がある場合を除く)。「もらって終わり」ではない制度なので、申請前に条件をよく読んでおくことをおすすめします。

この支援金は「引っ越して働く人」向けの制度なので、転入届やごみ収集日などの実務は境町への引っ越し手続きガイドと合わせて読むと動きやすいと思います。移住関連ではほかに移住支援金住宅支援・定住支援の制度もあります。

境町で働くときの「通勤」の考え方

制度の話が続いたので、暮らしの実感も少し。境町には鉄道の駅がないので、通勤手段は車か、高速バスか、町内の移動サービスが中心になります。

動く前に確認しておきたいこと

  • この記事の金額・期限・要件は、2026年8月3日時点で各公式サイト・公式資料に掲載されていた内容です。制度は年度で変わることがあります。
  • S-start upのチャレンジキッチン使用料と募集状況は、2019年12月の広報さかいに掲載された当時の情報です。現在の条件は必ず役場に電話で確認してください。
  • 入居店舗の営業時間・定休日は、各店舗の公式SNS等が最新です。この記事では発表時点の予定として記載しています。
  • 創業塾など商工会のセミナーは、開催時期・内容が年によって変わります。
  • 融資・保証・税務に関わる判断は、商工会や金融機関、税理士など専門の窓口にご相談ください。この記事は制度の入口を紹介するもので、個別の助言ではありません。

まとめ

境町で働く・起業するときの入口は、私が調べたかぎり次のようになります。

  • 飲食で独立したい → S-start upのチャレンジキッチン(境町152-3)。役場に現在の募集状況を確認
  • 創業全般・経営の相談 → 境町商工会(0280-87-0380)
  • 仕事を探したい → ハローワーク、県の就職支援サイト、さかいまちづくり公社の採用サイトなど
  • 子育て中で相談したい → 毎月第3火曜のママ・パパ就職相談(S-WORK+KIDS・無料)
  • 東京圏の大学を出て移住してきた → 地方就職学生支援金(地方創生課 0280-81-1309)

大きな会社がたくさんあるわけではないけれど、「小さく始める人を後押しする仕組み」がいくつも用意されている。境町で暮らしていて、私が好きなところのひとつです。旧法務局がお店になっているのを見ると、なんだかいいなと思います。

参考情報

※この記事はSummy株式会社が運営する民間のローカルメディアによるもので、境町の公式発表ではありません。制度の適用可否や最新の条件については、必ず境町役場および各窓口にご確認ください。

#掲載・PRについて

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